久安「PATISSERIE Voyage sans la fin」の美しいケーキに魅了される。

以前から気になっていた「PATISSERIE Voyage sans la fin（パティスリー ヴォワイヤージュ サン ラ ファン）」さんへ初めて行ってみました。ネットの情報によれば「アイズワークス」さんというケーキとパンのお店が、ケーキの部門だけ久安に移転オープンしたとのこと。そのため、ヴォワイヤージュ サン ラ ファンさんにパンはなく、純粋にパティスリーとして営業されています。

お店の名前はちょっと長いですが、ホームページに意味が書いてありました。「終わりなき旅」だそうです。ケーキ屋さんなのに哲学的で、なんだかステキ。

お店が赤い！　赤いといっても、赤ワインのようなシックな赤。オシャレな佇まいからして、たいそう美しいケーキが納められているに違いない、と思わせてくれます。

あ、これは、本当にうつくしい……。一つひとつ繊細な美しさを持つケーキが、ショーケースに整然と並んでいます。色とりどりできれい。

ちょうど今はクリスマスシーズンで、一番食べたかった「シャンティー・フレーズ」がたくさんありました。うれしい！　通年ではないらしいので、手に入れたい方はご注意ください。

うん。うつくしい。

林檎のタルト「タルト・ポム」は、ショーケースの上に置かれています。常温の方がおいしいからでしょうか？　これもおいしそう。

コンフィチュールからショコラボンボンまで、甘いものをいろいろ作っておられる様子。あー、ショコラボンボンすてき。

クリスマスツリーもうつくしい！　どこを見てもステキな店内です。クリスマス前ということもあって大変お忙しく、お客さんがどんどんやってきて大盛況でした。

そしてテンションが上がりすぎた結果、こんなに持ち帰ってきました。シャンティー・フレーズだけで2個買っています。家を出る前は「2個で済ませるぞ」と決めていたのに。なんか色とりどりのケーキを見ていたら、パァーってなっちゃったんですよねー。魔性のケーキでしたねー。

この「シャンティー・フレーズ」の美しさときたら、なかなかフォークを刺せません。イチゴは酸味が際立ってたいそうみずみずしく、スポンジはしっかりと甘い。生クリームはほんのりとした甘さに、ふんわりと舌に残るミルク感が後を引きます。一言で表すと「めっちゃうまい」。

2個買ってきたのは大正解でした。そこそこしっかりした甘さなのに、即座にもう一つ食べたくなるおいしさです。ふわふわ生クリームなのに美しいエッジ！　最高！　ずっと眺めていられますよね！　すみません、同調圧力が暴走しました。

「フレジエ」。断面のイチゴがキレイです。本当にこちらのケーキは、もれなく芸術的。スポンジの一口分で、ふわっとリキュールが香る大人の味！　私はお酒に滅法弱いので、全部食べたら酔っぱらうかも、と慌てるくらい。ブランデーケーキみたいな深いコクと香りです。

バニラビーンズがたくさん入っているカスタードが、これまたうまい！　やばい、カスタードだけでも食べられる。カスタードとスポンジを一緒にいただくと、とてもハイソな味がしました。香りがしっかり立っているコーヒーと合わせたらすごく合いそう。

「モンブラン」。美しいドーム状に形成された栗のペーストの下に、見事に隙間なくみっしりと、生クリームが入っています！　うわー好きー！　これは幸せ！　ホソヤさんと同じく土台にメレンゲが敷いてありますが、驚いたのはチョココーティングされていたこと。メレンゲのサクサク感を維持するため、チョコでカバーをしているんですね……繊細な心配りにグッときます。

メレンゲがまた、ナッツの食感だったり、アーモンドの香ばしい風味がしたり、このメレンゲだけで一つのお菓子として成立するのでは？　という完成度。めっちゃうまい。

ヴォワイヤージュ サン ラ ファンさんのケーキは、雰囲気が薔薇っぽいです。一つあるだけで華やかになるゴージャスさ。薔薇の花弁のような繊細さ。書いてて相当恥ずかしいですが、他に書きようがないほど薔薇でした。問答無用の美しさです。

ホームページにもあるように、もっとすてきなケーキ（プティガトーというらしい）を作る「終わりなき旅」を続けていらっしゃるんですね。さらにステキなケーキって、もう想像すらできない。まだ進化するというんですか。

ステキで楽しみなケーキ屋さんを発掘してしまいました。どんなケーキが並んでいるのか、定期的に確かめにいかねば！