新型コロナウイルスの流行を防いでくれるかも、と脚光を浴びた「アマビエ」さん。当サイトでもぬりえを作ったりしました。このアマビエさん、江戸時代に肥後国(現在の熊本県)の海に出現したという瓦版(※瓦版に近い何か、当時の印刷物)が残っているそうで、皆様もご存知の通り、有名なセリフ「当年より6年の間、諸国で豊作が続くが、同時に疫病が流行するから、私の姿を書き写した絵を人々に見せよ」と言って海へ帰っていった……という話です。
今ではアマビエさん大人気! いろんなところで商品化もされていて、圧倒的な知名度です。
アマビエさんの活躍により、各地で「こんな疫病退散のUMA(?)がいます!」と報告が相次ぎました。そしてなんと、我らが石川県の白山にも素敵なUMAがいたというのです!!!
白山に出現した!? なんとも不思議な「ヨゲンノトリ」
山梨県立博物館のTwitterによると、【ヨゲンノトリ】という白と黒、二つの頭を持つ鳥が「加賀国白山」にあらわれたという日記があるのこと。
加賀国白山。完全に石川県です。やった!
ただし、同じ山梨県立博物館のウェブサイト「疫病退散! ヨゲンノトリコーナー」には、白山とは書いてあるものの「不思議なことが起きそうな霊地としてその名を借りたもの」とおっしゃっています。えっそんなご無体な。でもいいんです、白山にそういうものが現れたという言い伝え?があるだけで!
山梨県市川村(旧八幡村、現山梨市)の名主である喜左衛門(きざえもん)さんの日記にそんな記述があり、その日記が山梨県立博物館に保管されているとのことです。喜左衛門さん、素敵な日記をありがとうございます。喜左衛門さんも、未来の加賀国の人が自分の日記で大喜びするなんて想像もしなかったでしょうね。
「アマビエ」は「アマビコ」!? とても似ている二つの妖怪
さて、アマビエさんが有名になるにつれ、もう一つの妖怪が浮上。それがこのモフモフ「アマビコ」さんです。
アマビコさんは、人魚のようなアマビエさんとは全く異なり、猿っぽい生き物です。アマビコさんも海から出てきたらしいんですが、何ていうか、完全におさるさんなので「この人が本当に海から出たの……?」とドキドキしてしまいますね。
また、肥後国(現在の熊本県)の海以外に、越後国(現在の新潟県)などでも目撃されたという文献があるようです。表記も「海彦」「尼彦」など、色んな漢字が使われています。
二つのUMAは名前が非常に近く、豊作と疫病を予言し、「自分の姿を絵にかけば、難を逃れることができる」というお告げをすることなど、共通点が多いので、もともとは同じものだったのではないか?と考える人もいます。本当にそうかも!
戦闘力がめちゃくちゃ高そう。頼もしい「神池姫」
こちらは沼津市明治史料館「神池姫」!
静岡県沼津市に伝わる神池姫(かみいけひめ)さんは、女性の顔に角が生え、体の両側に玉が3つずつついていて、さらに足(ひれ?)には剣が3本ついています。戦闘力が高そうですね。3本の剣で、病魔をばっさりやっつけてくれそうな感じがします。予言と疫病退散は、他のいきものと同じです!
全国各地に出現! 疫病退散の予言獣たち!
全国各地にいろんな疫病退散の存在がいてくれるのは、なんとも心強い限りです。もちろん私たちの努力が前提ではありますが、先行きが見えなくてつらい気持ちになる中、心の支えになってくれます。本記事のイラストはご自由にプリントアウトしていただいてOKなので、気に入った予言獣さんをご自宅に飾ってみてください!
(出典)
アマビエに続け 疫病封じる「予言獣」SNSで話題 鳥や鬼…姿や形さまざま(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20200606/k00/00m/040/118000c
アマビエ(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%93%E3%82%A8
アマビエと毛むくじゃらのアマビコ 「予言獣」を妖怪研究の第一人者が分析(京都新聞)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/272347
疫病退散! ヨゲンノトリコーナー(山梨県立博物館ウェブサイト)
http://www.museum.pref.yamanashi.jp/3rd_news/3rd_news_news200410.html
神池姫チャレンジ | NUMAZU DESIGN CENTER
https://www.ndc.design/kamiikehime